献堂にあたって

 新しい教会堂がここに完成いたしました。

 神の奇跡をまのあたりにさせていただいているようで、何よりもまず、心から神に感謝いたします。

 わたしたち駿府教会に課せられた課題、それはあまりにも大きなものでした。わたしたちの力、人間の力のみによるならば、到底不可能なことだと思わざるを得ませんでした。

 1923年以来80年以上、水落町を伝道活動の拠点としてきましたが、その場所から離れざるを得ず、新しい場所で、そこに新しい教会堂を建てるという大きな決断をいたしました。そのときからのわたしたちの思いはただ一つでした。この危機を伝道のチャンスにしよう、一人でも多くの方にキリストと出会っていただくために、新しい教会堂を献げよう、ということでした。そして幸いにも、わたしたちの願いにかなう、駅のそばの人目に触れる素晴らしい土地取得の決断が与えられたのでした。

 設計を担当してくださった、ご自身がキリスト者でもある建築士の西沢大良さんも、わたしたちの祈りを理解してくださいました。伝道のため、人の目を引く外観と、祈りを引き起こさせる礼拝堂の空間を見事に構想してくださいました。西沢大良建築設計事務所に改めて感謝いたします。

 その要求に、丁寧に、忠実に、確実に答えてくださった、作業に携わった方々の技量に、設計事務所もわたしたちも舌を巻いていました。建ち上がった建物にはじめて足を踏み入れたときの驚きと感動は忘れられません。責任を持たれた杉山工務店に感謝をいたします。

 これらのことが可能となったのは、全国諸教会をはじめとする駿府教会内外からの貴いささげもの、何よりも祈りによる励ましによることを覚えて、心からの感謝をいたします。わたしたち駿府教会が、そしてそもそも教会という存在が、決して一つでは成り立ち得ず、多くの方に支えられていることを学ばせていただきました。

 一つ一つの出来事・出会いが重ねられて、それらすべてがよきように整えられてこの場所に駿府教会の教会堂が生み出されました。あらためて人間業では考えられない、神の業の奇跡を思います。何よりも建物それ自体が、神の偉大な存在、神の偉大なみ業を証しています。すべての源である神に重ねて感謝します。

 神がこの建物を存分に用いてくださるように、教会員一同、伝道の使命を新たに覚えつつ、神におささげいたします。


駿府教会 牧師 瀬谷 寛

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